タイ・ベトナム・マレーシア 3国の間で加熱する東南アジアのEC市場

3カ国間での市場競争は熱を増していますが、それに関する興味深い考察をご紹介します。

iPriceはEコマースの東南アジアでの急速な成長に焦点を当て、タイ・マレーシア・ベトナムののEC市場に関する調査を行いました。EC市場だけでなく経済面でも激しく競い合う3カ国に関して、こんな興味深い考察があります。

Lazadaはタイ・マレーシア・ベトナムのオンライン購入者に一番選ばれている

タイ
  企業名      取引率(%)
1位 Lazadaタイランド         52.6%
2位 11 Streetタイランド        12.2%
3位 Shopeeタイランド        4.4%
4位 Chilindo 3.9%
5位  Notebook Spec 3.5%

マレーシア
   企業名   取引率(%)
1位 Lazada     48.5%
2位 11 Street 16.4%
3位 Lelong  10.5%
4位 Shopee 4.5%
5位 Zalora 3.9%

ベトナム
  企業名 取引率(%)
1位 Lazadaベトナム 19%
2位 Thế giới di động 15%
3位 Sendo 11%
4位 Tiki  8%
5位 Vật giá  6%

Lazadaは約5年前から東南アジアで運営しています。2016年春のAlibabaの巨額投資により、タイ・マレーシア・ベトナムをメインとした東南アジアの購入者からの支持を得ることになりました。これはiPriceの調査に基づくもので、それぞれの国でのECストアのトップ5を取引率のシェアで明らかにしています。この 他にも興味深い発見があります:

タイではLazadaが全体の取引率の52.6%、次に11 Streetが12.2%、Shopeeが4.4%を占めています。

一方、マレーシアではLazadaが全体の48.5%と圧倒的で、次に11 Streetの16.4%、Lelongの10.5%が続きます。

ベトナムもLazadaが19%でナンバー1のシェアを誇っているものの、以下に続くThế giới di động(15%)、Sendo(11%)などのローカルプレイヤーにより、全体的な取引率が多様化されています。これはそれぞれのプレイヤー間で激しい競争が生じていることを意味し、マレーシアとタイのようにLazadaが他を大きく引き離している状態とは大きく異なります。

タイ・マレーシア・ベトナムの消費者の嗜好
情報の検索と購入の決定

調査によると、それぞれの国での情報の使い方にも違いがあるようです。
タイ・ベトナムとは違ってマレーシアの人々はプロモーションと取引、ベトナムの人々は値段と商品の可用性に関しての情報が重視される傾向があります。

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その一方で、タイの人々は友達や家族に相談しながら情報を探すため、集産主義と呼ばれています。技術の進歩と情報への辿り着きやすさによって、彼らの行動にも変化が起こっていますが、オンラインチャネルで情報を得て、購入は主にデパートのような実店舗で行われます。

これにはたくさんの要因があります。例えば、タイの人々は購入前に商品を触ったり試したりすることの出来ないオンラインショッピングのシステムを信用していません。言うまでもなく、購入の後押しをしてくれる人がいれば彼らにそういった不安もありません。

海外製品の購入
国外からも情報を集める東南アジアの消費者達にとって、海外製品の購入は主要な選択になりつつあります。ベトナムの人々は、自分達の国で作られたものよりも高いクオリティを持っていると考えているため海外製品を購入します。同じくタイでも、その商品のオファーの多さから外資系企業の商品が好んで購入されています。また、自国のデパートなどで商品を買うよりも、そういった企業からオンラインで商品を購入した方が安いと考えているようです。

そんな彼らの壁となっているのが言葉のバリアです。この問題はタイと特にベトナムで 多く起こっています。なぜなら、彼らは英語の使われたウェブサイトでの検索に慣れていないからです。逆に、日常会話で頻繁に英語を話すマレーシアの人々にはこのような問題はありません。

タイの人々とEコマースのFacebookファンページ

ソーシャルメディア分析大手のSocialbakersとiPriceは共同で、それぞれの国の人々とEコマースのFacebookページの関連度を調査しました。

結果、タイの人々に一番高い反応があり、1000人ごとのスコアで237.6を獲得しました。続いてベトナムでは208.9、マレーシアでは109です。

以上のデータで、タイの人々がEコマースのFacebookページ上の内容にとても関連のあることがわかりました。彼らは他の2カ国の人々よりも、ページでの投稿へのコメントやシェアを多く行っているようです。

2025年にはタイが東南アジアで2番目に大きなEC市場になると予測されています。

市場価値(10億ドル単位)
国  2015 2025 年平均成長率(%)
タイ 0.9  11.1 29
マレーシア 1 8.2 24
ベトナム 0.4 7.5 33
GoogleとTemasekによるe-conomy SEAでは、2015年のタイのEC市場価値は9億ドルでした。29%の年平均成長率 で2025年には111億円に達し、3カ国のトップとなるだけではなく、東南アジアの中ではインドネシアの次に大きな市場価値を持つと予想されています。

過熱する競争により、各国のEC市場の2018年の動向に関心を持たざるを得ません。彼らは多くの選択肢だけでなく、より良い製品とクオリティを求めているのですから、この厳しい争いはそれそれの市場に良い影響をもたらすでしょう。

タイ・中国鉄道の建設が10月から開始

中国とタイは、9月にタイ-中国鉄道建設の2つの契約書にサインをし、10月から第1工事を開始するとの声明をバンコクにある中国大使館が土曜日に発表しました。

声明によると、タイ-中国鉄道協力合同委員会の第20回目の会議で今回のプロジェクトの第1段階の設計契約についての交渉が成立し、工事管理契約の価格にも同意したとのことです。

また、声明には「この計画に対してタイ政府と国民議会の認可が下りて以来の大きな前進です」との言葉もありました。

9月の契約完了と10月の第1工事開始を可能にするため、2カ国間でそれらに関する動きを早める必要があったようです。

バンコクとナコーンラーチャシーマーを繋ぐ線路は全長253kmで、第1段階では最初の3.4km、第2段階では11km、第3・第4段階では各119kmの建設が予定されています。

プロジェクトには第2工事の予定もあり、ナコーンラーチャシーマーからタイ-ラオスの国境付近にあるノーンカーイ間が開通します 。

大使館関係者は「第2工事の事前準備もすぐに始まる予定です」と話しました。

タイ-中国鉄道協力合同委員会は過去2年間で20回にも及ぶ話し合いを繰り返しましたが、声明によると、困難な時間を乗り越えたくさんの問題を解決しながらゴールに辿り着いたそうです。

中国側は設計と工事管理を担当し、タイの多くのエンジニアや建築家を迎え入れるのと同時に、タイも工事を担当することになります。このプロジェクトには出来る限りタイの設備と資源が使用されるそうです。

この工事が完了すると、タイ国内で最速の鉄道が誕生することになります。声明では「このプロジェクトにより、タイでの輸送システムや、地域の交通結節点の強化、国内の経済成長の促進に加え、特に北東部でタイ東部経済回廊のプロジェクトに貢献し、鉄道沿いに位置する他国にも利益を与えることでしょう」と高い期待が寄せられています。

Boschがタイで初のスマートファクトリーを開設

Boschによる東南アジアでの生産能力拡大

・タイにある2軒目のBoschモビリティソリューションズの工場に8000万ユーロが投資されました
・ベトナムでのプッシュベルト生産拡大に6000万ユーロが投じられます
・Bosch取締役会メンバーでアジア・太平洋地域担当のPeter Tyroller氏は「我々は東南アジアでの継続的成長に尽力し続ける」とコメントしました
・タイとベトナムが東南アジアでのBoschの成長を引っ張っています

タイ国内での自動車市場は成長を続けています。2016年にはUKやイタリアを上回る200万台近くの自動車がタイ国内で生産されました。Boschはこの需要の上昇に注目しています。1年半の工事期間を経て、首都バンコクから東に130km離れたヘマラートに、タイでは初のスマートファクトリーでBoschモビリティソリューションズにとっては同国2軒目となる燃料噴射テクノロジー工場を新設します。オープニングセレモニーに先立ち、Bosch取締役会メンバーでアジア・太平洋地域担当のPeter Tyroller氏は「現地での生産はBoschの最優先課題です。今回新設した工場はタイでの自動車生産拡大に対応し、現地のお客様と同様に海外に向けてもサービスを提供できるようにします。」と述べました。技術とサービスを提供するBoschは、今回の工場での密接した生産を重視しており、2015年から2017年末までの投資は総額で約8000万ユーロに上ります。

タイでBoschのインダストリー4.0と研究開発活動が始動
1万平方メートルにも及ぶ工場では、インジェクションバルブや接続技術、ノックセンサーやその他の部品が生産されます。「アクティブコックピット」を使用し、製造部門では最新の製品データを分析します。インダストリー4.0には広範囲に渡る情報をリアルタイムで集め、競争力を高める役目があります。ヘマラートの新工場では研究開発センターも併設されており、約60人の従業員がガソリン燃料噴射システムの開発を担当します。「この工場は我々にとって初の研究開発センターであり、とても誇りに思っています」とTyroller氏は話し、「人口6800万人のこの国は東南アジアにおけるビジネスの入口であり、東南アジアと世界でのBoschグループにとって、政略的重要性を明確に示しています」と付け加えました。ヘマラートでは2020年までに新しく800人が雇用される予定で、既に300人が雇用されています。Boschのタイでの雇用人数は現在1350人に上ります。

ベトナムでの生産拡大
今後、Boschはベトナムでの生産活動の拡大を予定しています。2011年からホーチミン近郊のドンナイにて無段変速機向けのプッシュベルトを生産しており、このトランスミッションは固定のシフトポイントがなくても作動するので、スムーズな走行を可能とします。このようなトランスミッションは渋滞時に適しているので、アジアの都市では需要が高まり続けています。また、コンパクトデザインのため小型車にも対応可能です。Tyroller氏は「生産力拡大のため、約6000万ユーロを投資してドンナイ工場をスマートファクトリーに転換します」とBoschのベトナム拠点の開設10周年を記念した式典で話しました。このことで、2011年から2018年までに3億2000万ユーロ以上がベトナムでの生産拠点に投資されます。

過去10年間、Boschはベトナムで大きな成長を経験しました。1994年からベトナムに進出していたものの、2008年初頭になってやっとホーチミンに初の生産拠点を開設し、2010年にはBoschとしては東南アジア初のソフトウェア研究開発センターとなりました。2014年7月には自動車エンジニアリグセンターを開設し、今年の3月、ドンナイの工場ではプッシュベルトの生産数が2000万本に到達しました。この工場には、ドイツのデュアル教育のシステムをモデルにした技術的取引の職業訓練センターが設けられています。Boschはドイツ国内での技術・製造・研究開発といった分野に一番多く投資している企業で、ベトナムでは従業員の数が3100人を超えており、そのうちの40%以上が研究者と開発者です。

タイとベトナムが東南アジアでのBoschの成長を促進
Tyroller氏は「東南アジアは繁栄しています。我々はこれからも持続的成長に注目します」と述べています。成長を促すべく、今年Boschは東南アジアに前年の投資額の50%増しとなる1億2000万ユーロを投資しました。2018年度中にも同じような規模の投資を予定しており、そのほとんどがタイとベトナムに対して行われます。両国でのビジネスはとても上手く進んでいます。「この2カ国は東南アジアでのBoschの順調な発展のための大事な原動力です」とTyroller氏は話しました。(2016年の売上高:タイ 3億500万ユーロ;ベトナム 8600万ユーロ;東南アジア 7億7000万ユーロ)